2009年11月7日土曜日

●第41回東京モータ-ショーを見てきました。

●第41回東京モーターショー

最近、腰を悪くして安静にしていましたが、第41回東京モーターショーが開催されていたので終了間際に出かけてきました。以下は、早足で見てきたその一部のご紹介です。時間の都合で回れなかったブースや説明不足に関してはご容赦ください。(記述は見て回った順です)

★マツダ『MAZDA』

マツダさんは「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」つまり、マツダ車を購入いただいた全てのお客様に「走る喜び」と「すぐれた環境安全性能」を提供することを目標としている。今回の出展コンセプトは「マツダ・スカイ・コンセプト」。つまり青空には限界がないことから、限界にとらわれず、のびのびとした自由な発想で究極の効率を追求し、「未来へ続く青空」と「その青空のもとを、気持ちよく意のままに走る喜び」を全ての人に届けるという。
● 目標は2015年までにマツダ車全ての効率を2008年比で30%アップする予定。
① 新開発のSKY-Gエンジンは従来のエンジンから燃費とトルクを15%アップした。
② 新開発のSKY-Dディーゼルエンジンは20%燃費向上。トルクアップ。
③ 高効率トランスミッション「マツダ・スカイ・ドライブ」は従来品より効率5%アップ。
④ 新型「アクセラ」と「ビアンテ」に搭載されたi-Stop機能。(市街地では車は47%アイドル状態なので、このときにエンジンを自動ストップさせる。またブレーキを離すと瞬時に始動することで燃費を向上。)
⑤ 水素ロータリーエンジン車の開発。水素ロータリーのハイブリッド車。
⑥ 「デミオ」は23km/リットルの低燃費。ミラーサイクルエンジンとCVT(無段トランスミッション搭載)

★ スバル(富士重工業)

スバルさんは、これまでに「革新による新しい自由の創造」というテーマで「革新」と「自由」というキーワードに基づき顧客に新しい価値を提供してきた。これからは、社会的ニーズに応じて環境問題へのあらゆる取り組みを強化し、地域環境との融合を目指すという。さらには、車との出会いで感じる「車への憧れ」、「走る喜び」と「開放感」、「車で過ごす何者にも代えがたい豊かな時間」など、車の持つ楽しみの全てを未来へ受け継いでゆくことを使命とする。
① 大画面を用いたプレゼンテーションでは、「ハイブリッド・ツアラー」という「グランドツーリング」思想を、新たな領域へ革新的に進化させたコンセプトカーの説明をしていました。この「ハイブリッド・ツアラー」は、高い走行性能を予感させる彫刻的なフォルム、上質で開放的なキャビン空間、独創的なハイブリッドシステムによる走りと環境への配慮の両立、などを特徴としている。
「グランドツーリング」とは:安心感に包まれてどこまでも行ける。誰もが気持ちよく走りを楽しめる。自由に移動する喜び。気候、天候、路面状況に左右されず、はるか彼方にある目的地へ一気に駆け抜ける力強い走り、などを意味している。
② 参考出展の電気自動車「STELLA」は4人乗り。100円(深夜電力)で100km走れる。フル充電で90km。15分の急速充電で80%(70km)充電可能。2009年7月から販売開始。
③ シンメトリカルAWD(All Wheel Drive)という四輪駆動方式。左右対称に車体構造を配置し、エンジンもピストンが水平対向型で平たく振動も軽減。
④ 革新的な「グランドツーリング・カー」の「レガシー」(五代目)。

★ ダイハツ

●ダイハツさんの出展コンセプトは「スモールカーの普及による地球環境との共生」。
地球への負担軽減は、小型車の普及であるという概念に基づき、省資源、低燃費、低価格を重点目標として、新たな技術開発を推し進め、その目的に沿った小型車(スモールカー)を提供してゆくという。
①「e : S」は700kgの軽量ボディー。環境性能を高めたパワーユニットにアイドリング時ストップシステムを組み合わせ、四人乗り30km/リットルの低燃費とガソリン軽自動車最小のCO2排出量を実現。
②未来へ向けた技術革新。「e : S」を第一段階とすると「第二段階」は次世代用の軽自動車用エコエンジンの開発。二気筒+直噴型エンジンによる燃費改善や各種損失低減による超燃費と、直噴+ターボを用いた高トルクによるゆとりの走りを実現させる。「第三段階」はCO2排出ゼロを目指し、貴金属フリーの燃料電池(PMfLFC:省資源、低コスト)を搭載する。

私は右側からダイハツの展示場を見て回りましたが、最初に目についたのが、燃料電池(PMfLFC)で走り続ける模型車でした。脇の液晶ディスプレー掲示板には、「PMfLFCミニカー走行実験」という表題で、走行時間(138.55km)走行距離(840.53km)走行速度(5.9km)が表示されていました。
②小型で大空間をもつスーパーボックスカー「デカデカ」(DECA DECA)の展示
③オープンカーで四人乗り、広々デッキのバスケット(basket)の展示
④スタイリッシュフォルムにくつろぎの大空間という「イクゼ」(Exe)の展示
などがありました。

★ トヨタ自動車

ここまで展示を見歩いて来て、ついに腰と足が痛くなってきました。私はトヨタのカローラに乗っているので、トヨタさんにはなじみです。それでパンフレットひとつと展示の一部を見て、会場の上のレストランで休憩することにしました。
トヨタさんのブースで最初に目に付いたのは「車椅子格納キャリア」付のプリウスでした。プリウスの天井に格納キャリアが乗っていて、リモコン電動式でキャリアが脇に滑り出し、格納キャリアから運転席脇に車椅子が吊り降ろされてくるものです。また、搭乗時には車椅子が自動で格納キャリアに吊り上げて収納され、後にキャリアはプリウスの天井部分にスライドして、走行時に支障にならない状態となります。将来、この車にお世話になるかもしれないので、念入りにその作動を見学しました。(笑)

以下はトヨタさんの重点展示項目です。

トヨタさんは「サスティナブル・モビリティの実現」に向けた取り組みとして、展示コンセプトを決めているようです。
つまり「将来の石油代替エネルギーの活用」と「CO2排出量の低減」「大気汚染防止」の課題に対して「ハイブリッド技術」を核として様々な革新的技術で取り組む。将来のエコカーは、近距離の移動はEV(電気自動車)、一般的な乗用車としてはハイブリッド(HV)やプラグイン・ハイブリッド(PHV:電気自動車としても使える)、中長距離で決まったルートを走るバスやトラックでは燃料電池車(FCHV)だという。
① 新世代の都市交通はスモールEVが主役。ブースでは小型四人乗り電気自動車「FT‐EVⅡ」(詳細な使用は未入手)が展示されていました。
② 車本来の持つ走る喜びと操る楽しさを追求した新世代の小型FRスポーツカー「FT86」(コンセプトカー)
③ プリウス・プラグイン・ハイブリッドの展示。プラグイン・ハイブリッドはハイブリッド車の進化形で、家庭用の100Vの普通のコンセント電源から充電が可能。200Vなら100分でフル充電可能。短距離の市街地走行ならモーターを使用してEV(電気自動車)として走れる。また高速道路や長距離ドライブなら従来のハイブリッド車として走行する。
④ 二台目の小型ハイブリッド乗用車「SAI」。抜群の燃費とエコプラスチックの大量使用による環境にやさしい車。
⑤ その他、多数の展示あり。

★ ニッサン自動車

ニッサン自動車さんは、クリーン・ディーゼル車や燃料効率の良い内燃機関の開発、またハイブリッド車を含めた様々な環境技術に取り組んでいます。これから中心となるのは「ゼロ・エミッション」(CO2排出量ゼロ)となる電気自動車や燃料電池車で、こうした車種を販売してゆくことで総合的なCO2排出ガス量を減らす目標を立てているということです。

① 電気自動車「リーフ(LEAF)」。大人5人が乗れる広い室内空間。一回の充電で160km走れる。200V電源を使用すると8時間でフル充電。急速充電器を使用すると10分充電で約50km、20分充電で100km走る。また、この車はIT搭載で、未来感あふれるコクピット・デザイン。ボタンを押すと、電池残量から計算した航続可能な範囲をナビゲーター上に図示する。また、その範囲にある充電可能な「充電スタンド」を表示する。さらに、離れた所からITや携帯電話などを使用して車のエアコンを作動させ、車の充電状態の確認などの操作が行える。
② 二人乗り用電気自動車「ランド・グライダー」。前後に二人が乗れる幅が狭い電気自動車です。混雑時や幅の狭い道でもすいすい走れそう。
③ 最高峰のデザイン、インテリア、性能が調和する新型「フーガ」と、「フーガ・ハイブリット」。
④ この他、コンパクトスポーツ車「カザーナ」、室内が広い(みんなのタクシー)「TAXI」、軽自動車の常識を覆す広い室内の「ルークス(ROOX)」、FAIRLADY Z、など多くの展示がありました。

三菱自動車さんの所までたどり着いたところで、デジカメの電池がなくなり、足も相当に痛くなってきたので、また休憩をするはめになりました。そうして休憩をしているうちに六時ちかくとなり、展示会は閉幕しました。
「モーターショー」は、半分は夢を語る所だと思います。例えば三菱電気自動車は一台4**万円という500万円近い価格(三菱自動車)です。これでは、貧乏人には手が出ないですが、未来には量産により廉価に販売してほしいものです。
しかし今回は未来の車に関して、各社の展示を見ると、かなり明確なイメージが出来てきたように感じられます。現時点ではハイブリッド車の普及が主体となり、その次にプラグイン・ハイブリッド車が普及するでしょう。それでポスト石油の将来展望は明るいものと考えられます。
また今回は、各社のコンパニオンが少ないのと展示会に参加した自動車会社の少なさが感じられ、現在の景気の低迷を物語っているようでした。

植木淳一

3 件のコメント:

Po さんのコメント...

燃料電池車が良さそうな気もしますが
いろいろと次世代の車があってどれが一番普及するのか
今が前哨戦なのでしょうか。
ともかく未来の車を見るのは楽しいですね。

Unknown さんのコメント...

このモーターショーに未来の自動車が色々展示されていましたが、なかなか楽しい夢がある車がありました。
今はハイブリッド車が普及段階ですが、燃料電池車もあり様々です。

燃費から考えると電気自動車はいいですね。スバルの「STELLA」は100円(深夜電力)で100km走るという。
いまはガソリン1リットルが120円位ですから、私の車などは120円(1リットル)で5ー6kmしか走らないので、電気自動車は垂涎の的です。しかし、電気自動車はまだ高いですね。

松戸市が購入した三菱の電気自動車は530万円で、5年間のリース販売で月6万5千円の支払い。一回の充電で160km走るという。車体の三箇所に5万円づつの広告をつけて走るそうです。そうなると3×5=15万円の広告料が入りますが、二ヶ月にこれだけの広告料が入るようにすれば、月額のリース料金も浮く計算になります。また扉ごとに、ひとつづつの広告が付けられれば、後部と合わせて五箇所の広告ができるわけです。
こうした工夫をすることで、電気自動車も少しは普及できるかもしれませんね。

★松戸市が電気自動車を購入
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20091107-OYT8T01257.htm

Unknown さんのコメント...

トヨタ自動車さんの説明文にもありましたが、車の使い分けができそうです。

1。市街地に住む人のお買物用とか、営業所などから短距離での用途。
  【電気自動車】
2。普通に使用する人用。市街地とか中長距離への走行用。
  【ハイブリッド車】
3。長距離の定期航路を輸送するバスやトラック用
  【燃料電池車】
しかし、マツダさんのように、既存の技術を向上させて、効率アップにより燃費やCO2の排出規制を行ってゆく方針の会社もありました。
2015年までに全車種の効率を30%アップするといいます。すごいですね。

植木