2011年6月7日火曜日

■日時計の傍らで      随想

もう六月。梅雨に入ったようですが、今日のような晴天の日は日差しが強く、日中はかなりの暑さを感じます。

最近、通りかかった小さな公園の片隅に「日時計」がありました。
その日時計は、アルミ製なのかもしれませんが、ノスタルジックな太陽の絵が描かれています。そして、ノーモンと呼ばれる中央の針が作る太陽の影が指す時刻は午後一時を過ぎていました。この公園の辺りには、小さな子供を遊ばせている主婦がいるだけで、静かな昼下がりでした。

私は持参した方位磁石をその日時計の側において、北極を指すかどうか確かめました。結果は、写真のように100円ショップで買ってきた方位磁石は見事に北を指します。(あたりまえか?)

しかし、よくみると方位磁石の指す方向は、日時計の「ノーモン(針)」の指す方向より若干西寄りに偏っています。これは地磁気の「偏角」によるのでしょうか。{「偏角(へんかく)」とは、地磁気が水平面上で、北方向からのずれを生じている変移角度のことをいう。}

理科年表から、この辺りの「偏角」の値を調べてみると、7度という値に近いようです。つまりは地球の回転軸の北極点(北緯90度、東経0度)と地磁気の北極の位置が若干違っているので、こうしたことが起きるようです。今の磁気北極は北緯76度、東経100度のところにあります。

この公園の「日時計」の定礎が、正確に北(地球の北の回転中心)を指すように設置されていれば、他の地磁気に与える色々な変動要素が分かるはずです。

また、この日時計の下部分には「均時差表」があり、季節により異なる時刻の補正を行うことができます。これは、地球が太陽の周りを回る公転軌道が真円でないために、公転軌道位置により地球の動く速度が異なるためです。このように地球が軌道上を動く速度が異なると、地球一回転あたりの時刻変化が異なってきます。このために、均時差表のような時刻補正が季節ごと(月ごと)に必要となります。

さらに、地磁気の日変化は、「太陽風に押された地球磁場が地球の回転運動により環状の電流を地表や電離層に生じさせる」ために生じるようです。しかし、この影響は通常ごくわずかです。
また、近くの土地や岩石のもつ磁気などが、磁気コンパスに影響する場合もありますので、簡単ではない場合があります。さらには、大地震の前触れとして、地磁気の異常が報告されている事もあるのです。これは地下の岩石に働いている力が、ピエゾ電気(圧電効果:ハンマー型のガス着火装置として使用されていた)として現れ、その電気により地中に電流が流れることで磁場が発生します。その磁場が地上の磁気コンパスに影響を与えることがあるらしいのです。また、地震前の地上の発光現象(があったという報告がある)もこのピエゾ電気による高電圧発光と考えるとつじつまが合うようです。

ともあれ、こうした事で、たまには自然界に働いている力のことを考えてみるもの一興かと思います。

植木淳一

3 件のコメント:

Wood さんのコメント...

補足です。

磁針を使用しないで真北の方向を決めるには、やはり北極星を使用するのが簡単だと思います。日時計のノーモンの傾斜を、その場所の緯度とすると、その傾斜の延長線上に北極星を位置させればよいわけです。
正確には北極星も一日の間に小さな円を描くので、その円の中心を指すようにすればバッチリです、この円の中心が地軸の延長線天球が交わる点になります。その地域の緯度の値は地図などから求められますが、日時計にはそれほど正確な値も必要ないと思われます。

また、地震対策で地磁気の変移を知るには、日ごろから、家の中で磁針を狂わせるものが少ないところで、目に付く場所に、磁針を設置しておくのです。さらにその磁針の下に北の方向を示す線を引いた紙を張っておけば良いのです。磁針の針が北方向からずれてくるようだったら何らかの異変が生じていると判断するわけです。

植木淳一

Wood さんのコメント...

●南北の簡易な決定方法。

前の記事では真北を求めるのに、北極星を用いました。北極星はほぼ天の真北にあります。また、天球上で地球の回転軸の位置をも指し示すのです。だから、地軸(地球の回転軸)の変移を知るには、この北極星の動き(天空上で小さな円を描く:通常は無視してよい)を観察していれば良いわけです。この円の中心が地理上の真北の方角ですが、この方法は夜しかできない方法です。

さて、それでは日中に真北や真南を知るにはどうしたらよいでしょうか。

★次は太陽を使う方法です。(簡単な方法)

太陽は理論上では、その場所の「正午」(12:00)に南中(真南に来る)することになります。しかし、地球の自転軸が傾斜しているためと、太陽の周りを回る公転軌道が真円でないために、理論的な時間(平均太陽時)と実際の太陽の動きは異なってきます。日時計ではこの補正のために「均時差グラフ」を用いています。
本文の下の写真の下部に「均時差グラフ」があります。このグラフから、6月の半ばには「マイナス20分」ほどの補正をすることになります。つまり、実際の時刻より日時計は約マイナス20分、実際の時刻よりずれているわけです。(9月はじめもやはりマイナス20分)
このことは、6月の半ばに太陽が真南に来たとき(12時マイナス20分)が、11時40分であることを意味しています。(12時から20分を引き算する)

つまり、日時計のない場所では、この「均時差グラフ」を利用して、6月半ばなら11時40分の時に、糸で吊るした棒などの「影の指す方向を真北」とすれば良いわけです。(影は水平面上に投影する必要があります)。このとき太陽は真南にあるので、他の方法で真南を決めることもできます。

この「均時差」や「太陽の南中時刻」は「理科年表」に掲載されています。だから、真南(あるいは真北)を知りたい日の南中時刻を「理科年表」から調べればよいわけです。しかし、この南中時刻は日本の中央標準時で記載されています。(理科年表には6月10日の南中時刻が11時40分25秒と出ています。2009年の東京中央標準時)。この日本の中央標準時と各地の太陽の南中時刻は若干異なります。

つまり、その場所(東京とか名古屋、大阪など)の(緯度や)経度により日の出や日の入りの時間に差異が生じるのです。たとえば日の出の時刻を千葉と京都で比較すると、元日には19分くら千葉が早く、岡山より22分も早いのです。逆に考えると、この場所による南中時刻の補正を、これらの時間差により適応すればよいことになります。より精密に測定を行うには、こうした時刻の補正が必要となってくるわけです。(以上は2009年の理科年表による)しかし、日陰を用いて北を求める簡単な方法にとっては、それほど厳密に考えなくても大丈夫だと思います。

植木淳一

Wood さんのコメント...

★天文ソフトを使用した方法

太陽の南中時刻の時に、日陰を用いて、その場所の南や北を知る方法が前に述べられました。
つまり、「南中時刻」に太陽はその土地の「真南」に来るのです。その時の影は、当然、真北に向かいます。

この「太陽の南中時刻」ですが、天文ソフトを用いても知ることができます。

私の持っているのは、ステラナビゲーター(V9)です。
これの「全般」タブの画面で、「場所」タブから自分の土地の緯度と経度を入力しておきます。(つまり測定する場所の緯度と経度を入力するわけです。)
そして、経緯線の「高度・方位」ボタンをオンにし、南の方角を見るようにします。こうすると、南の方位線(0度または360度)が画面の中央にくるようになります。「太陽」の表示はオンにしておきます。

こうしておいて、「日時」タブをクリックして、測定したい年月日を入力し、その「地方平時」に「12時00分00秒」を入力します。そして、「地方標準時」にすると、その場所のその日の「太陽が南中する時間」が表示されます。

あとは外でこの南中時間に、実際に太陽とそれによりできる日陰の方向を使用するなどして、真北や真南の方向を知ることができるのです。
他のソフトでも似たことができると思います。

植木淳一