先日、*フト*ンクのCMを見ていたら、面白い光景が出てきた。なんと、「光の道」という巨大隕石が地球に衝突してくる、という。それを博士に質問したら、博士が両手を挙げ始めた、というシーンであった。彼はさらに立ち上がり、質問者に呪いをかける仕草にも見えてきたところが滑稽でした。
以前のこのブログにも書きましたが、こうした巨大隕石落下は十分あり得ることで、既にいくつかの国の政府機関により、地球に接近してくる危ない小惑星探しが行われ始めている。何億年も過去に恐竜が絶滅したのも、地球に巨大隕石が落下して環境が激変したため、という説がある。
しかし、そうした地球に衝突してくる小惑星がもし発見されても、どのように対処してよいのか、という対処策はまだ確立していません。
以下は、思考上のお遊びです。
【巨大隕石落下に対する対処策】
【A案】
現代は核兵器があるので、ロケットでそれを小惑星上に運び、それにより爆破して粉々にすればよい、というアイデアです。
{検討}
①【人間が出かけて小惑星に爆発物を設置・破壊する案】
核兵器をもし運べるとして、それを小惑星に設置することができるのかどうか。
日本の「はやぶさ」も様々な故障を抱え満身創痍になりながら、かろうじて地球に帰還できた。この案を実行するには、人間が乗れる宇宙船を事前に作り用意しなければならないが、小惑星まで行けるものができるのかどうか、現時点では不明である。
今のところ人類は、アポロ計画でやっと人間は月への往復旅行に成功しただけである。今度はさらに、小惑星へ出かけて、また地球へ人間を安全に帰還させなければならない。おまけに「核爆弾」も、一つや二つではなく、相当な量を小惑星まで運ばなければならない。(この案は現時点では不可能)しかし、この案は過去に映画になったことがあります。(1999年)
②【無人のロケットで小惑星を破壊する案】
小惑星の破壊には、人間が行かなくても実行可能なように見える。
つまり、ロケットに多量の核爆弾を積み込み、それをICBMミサイルと同様に小惑星へ打ち当てるのだ。多数のロケットを使えばこれは可能に思える。しかし、正確な破壊工作ができるのかどうかはわからない。
これで問題なのは、不完全な破壊を行うと、その破片が地球に衝突してきて相当な被害がでる事だ。おまけに多量の核兵器の放射能まで地球に降り注ぐ。
この例は、木星に衝突したシューメーカーレビー第九彗星(SL9)がある。
このSl9は、木星周辺で引力(ロシュワの限界として知られている)により分裂し、二十数個の破片に分かれた。しかし、それらが数珠繋ぎとなって次々に木星に衝突してきたのである。その中には、地球の大きさほどの噴煙を上げたものがあった。つまりは破壊の仕方が大切なのである。安全な方策は、地球の大気摩擦で全部消滅するくらいに粉々にしなければならない。これも難しい。
【B案】
人間が月などに避難して、難を避ける案
{検討}
ある程度の大きさの小惑星が地上に落下してくると、高さ数百メートルという巨大津波が発生し、強烈な衝撃波が辺りを破壊し尽くすシナリオがあります。また人類が到底耐えられないような超巨大地震が発生するので、地上の建物とか丘などは皆、破壊されて無くなります。これは地面が数十メートルもの高さに波打って、それが音速ほどの速さで通り過ぎるのです。当然、地表の全てのもの(土や岩石なども)は空中へ吹っ飛び、大部分の生物も死に絶えるわけです。(地震の大きさはM9どころではなく、M数十とか数百?)
問題はその後です、万が一、人間が生き残っても、巻き上がった噴煙が世界の空を覆い、寒冷化して多年にわたり植物が育たなくなる可能性が指摘されます。つまり食料が得られない可能性があります。
これならば月などに移住して、不便ながらもそこで平穏に生きながらえた方が得策と考える人も多いでしょう。
【問題点】
① 月へ行く宇宙船を大型化しなければならない。
② 莫大な金がかかる
③ 時間が足りない
米国のラスベガスは、かつての砂漠の中のアオシスに築かれた都市で、1855年頃からモルモン教徒が入植をはじめ、52年間を経た2003年には、人口51万7千人の大都市へと発展しました。つまり、平均すると年間1万人くらいが入植したわけです。
また、米国のロサンゼルスは1781年から入植がはじまり1850年には市制が敷かれたとあります。以後、1876年の鉄道開通から本格的な発展となり、2003年には、人口382万人の大都市となりました。ここは124年間で382万人になったとすると、年間平均3万人ずつ人口が増加したことになります。
さて、このロサンゼルスの人口増加速度で月に移住させるとどうなるでしょうか。
計算すると、1億人が移住するのになんと3千333年かかります。(下表1行目)
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■ 移住数(万人/年) 累計人口(万人) 必要年数 ■
________3______10000_____3333.3
_______33.3____10000______300____
______333.3___100000______300_____
_____1666.7___500000______300____
______138.9____1ヶ月の移住人数(万人)
________4.6____1日の移住人数(万人)_
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これでは拉致があかないので、計画年数を300年に縮めて計算してみます。すると年間約33万3千人を移住させなければならないのです。つまりは、ロサンゼルスくらいの都市を同時に4.6個も作り始めることと同じです。(上表2行目。33.3÷3=11.1。11.1÷(300÷124)=4.588)。実際にこのペースだと300年でできる計算になります。
以下、さらに空想的ですが、50億人を300年で月に移住させるには、年間1666万7千人を移住させる必要があります。(上表4行目)。これは一ヶ月に138万9千人、一日に4万6千人を月に運ぶことに相当します。
これは、ロサンゼルス規模の都市を同時に230個も作り続けることに相当します。(やり方によっては、もっと小規模な開発で済むと思います)。
こうしてみると、輸送する人数だけでも空想的ですが、一日に4万6千人を運ぶには、460人乗りのジャンボ機のような宇宙船を20機、一日に5往復させなければなりません。(460×20×5=46000)。しかしこの人数だと、アポロのようなロケットでは少し無理があります。
そうなると、空飛ぶ円盤のような特殊な推進力をもつ乗り物が必要となってきます。
もしも、電磁気的相互作用と重力相互作用が統一的に論じられる理論ができれば、電磁気力のようなもので重力が制御できます。そうなると、電気的な装置で大型の宇宙船が大空に舞い上がり、そして宇宙へと飛翔できるかもしれないのです。
月面都市移住計画では、この他、都市の建設をどうするのか、水や食料などの必需品をどうのように作るのかなど、多くの問題があります。
{補足:月面上で、水は堆積岩などの岩石から取得できます。結晶水として含まれているものを加熱すると出てくるのです。また、地下に氷として堆積している水があるかもしれません。この他、野菜工場などの方法や、透明なドーム型の建物の中で、太陽光を利用して野菜等を栽培することは可能だと思われます。}
【C案】
何もせず、神様か仏様に祈りをささげながら、無事に過ぎ去ることを祈る。
ともあれ、空想的な話はこれくらいにして、そろそろ両手を挙げることにしましょうか。
植木淳一
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