2013年5月29日水曜日

◎南海トラフ巨大地震の被害想定を政府が公表した。


◎南海トラフ巨大地震では、死者32万人、避難者950万人、家屋の全壊238万戸という被害想定

【政府の中央防災会議の作業部会は28日、マグニチュード(M)9超の「南海トラフ巨大地震」対策の最終報告書を公表した。
被害が広域かつ甚大で、大量の避難者が見込まれる一方、行政の支援に限界があるため、高齢者などを優先的に避難所に受け入れる新たな考えを盛り込んだ。日本全体で支援体制を検討することも提言した。また、地震の予知は困難だと指摘し、被害を減らすため、迅速な避難や食料の備蓄など「自助」の必要性も強調している。
(家庭での食料の備蓄は一週間以上必要と勧告)
南海トラフ巨大地震は最悪の場合、発生後一週間で950万人の避難者が出て、避難所が大幅に不足するとみられる。このため作業部会は、避難所の利用者に優先順位をつける「避難所トリアージ(選別)」という対策を打ち出した。自宅の被害が軽微の場合には帰宅を促す。政府は今年度中に対策大網をまとめる。】(29日の読売新聞朝刊より)

【南海トラフ巨大地震】とは。
静岡県沖から四国沖、九州沖合にかけて延びる南海トラフ(海底の溝)に沿った地域で発生する大地震で、最大規模のマグニチュード(M)9級。過去にこの規模の大地震が同地区で発生した記録はないが、中央防災会議は1000年に一度かそれより低い頻度で起きるとした。
この例が二年前の311の東北大震災である。三陸沖を震源とする大地震は過去に周期的に発生していたが、M9を超えるものはなかった。地震発生後、学者が調べたところ、過去の堆積物から1000年くらい前にも同地域では、こうした巨大地震があったことが分かった。だから南海トラフでも同様の可能性があると判断されたのだろう。
南海トラフではM8級の地震が100年から150年ごとに繰り返し(周期的に)起きている。政府の地震調査委員会は今月、M8〜M9級の地震が同トラフのどこかで起きる確率を30年以内に60〜70%と発表した。

◎南海トラフ地震の被害想定

植木淳一

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