2008年8月16日土曜日

日本の宇宙開発への応援。

今、JAXAでHSST(国際宇宙ステーション)に荷物を打ち上げるためにHTV(荷物輸送機)を開発しています。
http://www.jaxa.jp/projects/rockets/htv/index_j.html
これは、開発中のH2Bロケットで打ち上げられる予定です。またHTVに似たATVがESAで開発され、ロケットで打ち上げられました。今後、JAXAはHSSTに取り付けられた「きぼう」棟を完成させ、HTVで必要物資の輸送を行なってゆくでしょう。

このH2Bロケットは、H2Aロケットの一段目に取り付けられたLE_7Aエンジンを2つ並行して並べたもので、推力はH2Aの約2倍となります。
http://www.jaxa.jp/projects/rockets/h2b/index_j.html
●こうしたクラスター化(エンジンを複数つける方法)は、短期間に開発できるし開発費用をそれほど必要としないため有用だと思います。今後、大きい衛星打ち上げはH2AとH2Bを用いることになります。(さらに大きいロケットが必要になったら、LE_7Aエンジンを3つ並列に付けたH2Cロケット、4つを並列化したH2Dロケットも考えられます。)今後の展望として、大きな衛星の打ち上げには、このように既存のエンジンをクラスター化したロケットを用いることが有効だと思われます。

●もうひとつの方法として、軌道上でのドッキング技術が上げられると思います。
つまり、衛星を複数のモジュールに分割して、何回かに分けて複数のロケットで軌道上に打ち上げ、そのモジュール群を軌道上で結合させて、ひとつの大きな探査船に組み上げるわけです。このドッキング技術をマスターすると、いくらでも大きな宇宙船が作れるので、月面からのサンプルリターンとか人間月探査計画、火星への人間探査やサンプルリターン、金星、水星へのサンプルリターン、外惑星へのサンプルリターン探査や、宇宙ステーションの建設などが可能になります。
NASAも、このようなドッキング技術を利用すれば、既存のロケットを使用して、安上がりにゆとりをもって月面や火星へ人間を送ることができるはずです。
このドッキングには、HSSTの「きぼう棟」を利用する方法が考えられます。つまり、宇宙飛行士をきぼう棟で待機させ、そこへH2A等で打ち上げた複数のモジュール同士を接近させて、きぼう棟のマジックハンドによる操作等で結合させるのです。さらには、独自の宇宙ステーションを軌道上に打ち上げておき、そこで作業をする方法とか、マジックハンドを使用するだけでなく宇宙飛行士が結合モジュールへ乗り移って、手作業で結合をする方法が考えられます。

●日本が今後、発展させるべき技術のひとつは、宇宙飛行士を日本の力で打ち上げることでしょう。
これにはH2Bの改良型(加速を3G以下に抑えなければならない)と、HTVを改造して宇宙飛行士を載せられる宇宙船にしたものとの組合せが考えられます。(あるいは新たに個体ロケットを人間打ち上げ専用に開発する。MVの改良型など)。
人間宇宙船の場合に、宇宙船は人を乗せて地球に帰還しなければならないので、帰還システムの開発が重要です。それで、最初に開発するべきなのは地球帰還システムでしょう。これができれば、それだけで「きぼう」からの緊急脱出装置となりえます。
結局、今後も日本が技術立国を目指すためには、中国についで有人宇宙飛行をする必要があると思うのです。そのためには、上記の組合せを用いて、短期間で有人宇宙船をつくることではないかと思います。これは「きぼう棟」への「はしけ」的な利用方法でもかまわないと思われます。うまくゆけば、宇宙観光用に需要も増加するでしょう。

最近はロケット打ち上げの低コスト化が問題として上げられています。ロケット打ち上げは確かにお金がかかります。でも、とりあえず目的を達成しようとする時点では、コストよりも目標達成の熱意のほうが大切だと思うのです。アポロ計画も、打ち上げコストより、目標達成の期間の厳守とか確実性に重点をおいた開発をしていたはずです。日本も、有人宇宙飛行を目標とした場合、その達成の期間とか確実性に重点を置いた開発に専念してほしいものです。

私は素人なので、専門家の方達から見ると疑問点もあると思いますが、その節は遠慮なくご指摘いただければ幸いです。今後の日本の宇宙開発技術の発展に期待したいと思います。

植木淳一

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