2009年4月27日月曜日

世界を創造した「神」は存在するのか?

自然界を親しく観察して、探求しよう。

草や木を親しく観察し、鳥や動物達と語り合おう。
もしかしたら、花や昆虫達などとも語り合えるかもしれない。

新約聖書「ローマの信徒への手紙」1章20節には「自然界に存在する被造物を通して、神を知ることができる」と書かれています。(以下)

『(20)世界が造られたときから、目に見えない神の性質、つまり神の永遠の力と神性は被造物に現れており、これを通して神を知ることができます。従って、彼らには弁解の余地がありません。(21)なぜなら、神を知りながら、神としてあがめることも感謝することもせず、かえって、むなしい思いにふけり、心が鈍く暗くなったからです』。

ここでいう「被造物」とは、神が創ったもの全てをいいます。旧約聖書の「創世記」には、「神」が天と地をつくり、その中に存在する全ての物を創造したことが書かれています。つまり、それは太陽や星や月、雲や大地とか海とか空気、魚や鳥や獣、昆虫とか植物、木々や森や林、微生物とか細菌や人間、石や岩や山や川など自然界に存在する全てです。

あなたが「聖書中の神」を認めるのかどうかとは別に、自然界を創造した「創造主」が仮に存在すると想定するのです。すると、それはどのような知性や力を持っているのか、その被造物を観察することにより、その一端を知ることができるはずなのです。これは、絵画を観察して、それを描いたときの画家の心情とか視点を知ることができるのと似ています。自然界では、絵画に相当するものが山や川であり、大空や雲、太陽とか星、月とか風、樹木や草花、動物達とか昆虫たち、微生物たちなのです。

また、自然科学者たちは、そうした事柄を専門的に行ってきたので、より深い知識を蓄えているはずです。でも自然界の探求は知識だけではありません。風を実際に肌で感じたり、川のせせらぎの音を聞いたり、その流れの中に手を入れて、その冷たさを感じることも必要だと思います。つまり自分の五感全てを使いその対象を感じ交流することです。こちらは、書物からは得られない貴重な「体験」です。これは特定の人と交際して、その人を知ることに似ています。ですから、ある程度時間をかけて、ゆっくりと少しづつ親交を深める努力が必要でしょう。ともに遊んだりするのです。

しかし、その探求の結果、自然界はひとりの創造主の創造ではなく、単なる偶然の結果であった、という結論をあなたが出す可能性もあります。それでもよいのです。自然界と交流した「あなたの体験」は貴重な記憶として生涯にわたり残るでしょう。

過去に、人間は自然界から学んできたと言われます。

たとえば、山火事で焼けた粘土が硬くなったので、そこから焼き物が作られるようになったとか、空を飛ぶ鳥から飛行機が考案されました。さらには、植物たちが春になると花をつけて種子をつくり、それを地に撒いて自分達の仲間を増やすことを観察して、田畑を作り、農業をはじめました。これは野山を捜し歩いて種子や果実を集めるより、動かずにすむ効率がよい方法でした。またビーバーが川の水をせき止めて水溜りをつくるのを見てはダムを考案し、田畑への水の供給に利用しました。そして、特定の植物に病気を癒す力があることを発見して薬草として用いました。近年になって飛行機が空を飛ぶようになると、地球の中緯度地域の上空1万メートル付近に吹いている強い西風が発見され「ジェット気流」と名付けられました。これを利用するとジェット機は早く飛べて、燃料が大幅に節約できるのです。
また、微生物の発酵作用を利用して各種のお酒をつくったり、ヨーグルトや醤油などを製造しています。最近では、遺伝子の解明が進んだため、大腸菌の遺伝子中のDNAを操作して、特定の高価な薬品を安価に製造する方法を開発しては、遺伝子工学を役立てています。

しかし植物の葉緑素のように、その働きはわかっているが、まだその機能を機械的にまねのできないものが多くあることも事実です。植物の細胞にある葉緑素は、太陽からの光エネルギーを糖分とか澱粉に変えてたくわえ、動植物たちの活動エネルギーとして利用できる形態に変えて保存します。これは太古の昔から私達人類も利用しているエネルギー供給システムなのです。(地上の生物のほとんど全てを生かしているエネルギーでもあります。)

また、最近のDNA(デオキシリボ核酸)解読技術は人間の持つ遺伝子中のDNA配列を全て解読しました。人体が形成され維持されているのは、このDNA中に存在する遺伝暗号なのです。この中で、どの配列がどのような作用をしているのかが今解明されつつあります。そして、いつの日にか遺伝子の以上による遺伝病などが克服されてゆくに違いありません。

こうした遺伝子やDNAは各種の生物の細胞の中に必ず存在しています。また、ウイルスなどにもRNAとして存在しています。こうしてみると、DNAやRNA(リボ核酸)は生命現象の基礎として生物に普遍的な要素となっています。そしてリボ核酸中の4つの塩基配列が、遺伝情報を担っているのも各生物に共通です。パソコンやコンピューターは2つの状態配列(2ビット情報系)により全ての情報を記録しますが、生物は全てリボ核酸中の4つの塩基の状態配列により遺伝情報を記録しているのです。パソコンの記憶方法は0と1の二つの状態をもとに情報を記録する方式ですが、生命界の記録方法はアデニン、グアニン、シトシン、チミンというの4つの分子(状態)をもとに情報を記録する方法なのですね。

もともと自然界の物質は、約92種の元素とその組合せの分子群からできていることを自然科学者達は突き止めています。そして、この元素のもとになる原子は、電子、陽子、中性子など数種の素粒子からできています。これら約92種の原子の種類や性質が違うのは、その構成中に含まれるこれらの素粒子の個数が違うだけなのです。

そして、こうした原子の性質が、それの組合せの分子の性質を決定しています。また、その分子群の集合体の細胞の構造を決定しているようなのです。(こうして、細胞の中にある遺伝子により、細胞群の集まりである人間や動物、微生物などの生物の構成が決定されているということは、もしかしたら、原子が作られる時から、生物の形や役割などが決められている可能性すらあるという想像は行き過ぎでしょうか。)

このように、人類は自然をまねし、自然の機能や力を利用して自分達の役に立ててきたのです。このように自然を詳しく観察してみると、そのなかにどれだけの英知と素晴らしい仕組みが隠されているのか想像すらできないほどでしょう。

こうした観点からして、私は今までに、ある程度「創造主」を探求してきたと言えるかもしれません。(否定、肯定両方から)また、どれくらい「創造主」を知ることができたのかを考えると、まだまだだという気がしています。

人間には物質的な肉体がありますが、それ以外に、その肉体を動かしている「自分」という意識があり記憶があります。もしも自分という意識が、宗教家のいうような霊的な実体があって、それだとするならば、死後も記憶などが持ち運べる可能性を考えることができるのかもしれません。そうなると、この世界は現在の科学者の見る世界よりも広いのです。

たまには、こうした事柄を考えてみることも、自然科学への勉学のモチベーションを高めるのに役立つと考えます。

ご参考までに、下記のページをご紹介いたします。
竹島正氏のBlog

植木淳一

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