2009年6月28日日曜日

● 海に浮かぶ町(フローティング・シティー)


ちょっと時代錯誤かもしれませんが、小松左京氏の「日本沈没」からこの構想を思いつきました。
ここに提示したのはその一例ですが、大きさに関しては検討の余地があるかもしれません。以前に関西空港をこの方式で作成しようとした計画案があったようです。

地球温暖化により、太平洋のツバル共和国が水没するという話が伝わっています。すると、この話は全くの夢物語でもなさそうです。もしも、ツバル共和国がこの「フローティング・シティー」を導入したら、どれくらいの間、その人口を国内に保てるでしょうか。また、同様の危機に陥る地域が、まだあるかもしれません。


★船底のメンテナンス技術が大切★

残念ながら、この町の船部分はステンレス鋼で作成しても、やはり一般の船と同様に定期的なメンテナンスが必要です。それで、船をメンテする時に、陸にある造船ドッグに船体を一時、収納しなければならないわけです。もしもこの外壁を、岩を溶かして作成したガラスを外壁に溶着(貼り付け)したとしても、やはり十年に一回くらいはメンテナンスのためにドッグ入りが必要かもしれません。この問題は、浮かせたまま船底をメンテナンスする技術ができれば解決するのですが・・・結局、船のような「浮かぶドッグ」を作成して、「出張メンテナンス」をすればよいわけです。

★埋立地と比較してどうなのだろう★

日本では東京湾の埋め立てをして海岸に土地を造成してきました。しかし、今はもうあまり埋め立てをする余地がなさそうに思えます。今より海側に埋立地を増やすには、海が深くなるだけ、相当な資金や労力が必要となるでしょう。そこで、日本のお家芸の造船技術を生かした街づくりとなるわけです。おそらく埋め立てをするより早く使えるし、価格ももしかしたら安いかもしれません。

★大震災時でも大丈夫★

これなら、関東大震災がおきても大丈夫です。つまり東京湾内では津波の被害がほとんどないのです。また地震の横波は水中を伝わらないので「フローティング・シティー」に伝わってきません。(水面に立つ波の影響は少しあるかもしれませんが)

日本国内には、百万トンのタンカーを作る造船ドッグがあるそうなので、これくらいのものを作るだけなら、いくつでもできそうです。残念ながら、強度計算とか、その他の計算はまだ一切やってないし、価格も正確にはわかっていません。


★防水区画★

図面のなかの「防水区画」は戦艦大和の船体構造から思いつきました。たとえば船が衝突してきて、外壁の一部に穴があいてもこの町は沈まないのです。防水区画の一部の部屋にだけ水が入るのみで済みます。その後は、穴を修理してから、その区画の水をポンプで抜けば、またもとの通りに船体の浮力も回復し使用できます。

こうした浮力を維持する部分を除いた船内は、わりと大きい容積がありますから、居住施設とか、娯楽施設、運動場、倉庫や汚水処理場など様々な用途に使用できます。そして、随所に空気の換気口設備が設置されていますから、内部の空間でも新鮮な空気が吸える仕組みです。

ここまでは、まだ夢物語です。こうしたものを実際に製作するには、まだ様々な問題を克服してゆく必要があるかもしれません。

植木淳一  2009年6月28日 「浮かぶドッグ」追加 2009年7月8日

0 件のコメント: