2009年7月8日水曜日

● 海上でメンテナンスのできる海上都市 案

今までの記事の中で、海上で船の上に町を作ってきました。

 ところで、船の大部分は定期的にメンテナンスをするために、造船所などのドッグに入れて船底などのメンテナンスをする必要があります。

 海上に作られた都市では、船ごとこのドッグに曳航してメンテナンスをすることになります。あるいは十年くらいはメンテナンスをしなくて大丈夫なように、分厚い鋼鈑で船体を作ることも可能でしょう。いずれにしても、船体のメンテナンスを、いつかはしなければならないのです。そこで、都市はそこに浮かべたままで、船体だけをメンテナンスするための工夫をしてみました。
 左図がそのアイデアですが、船体がこの場合は4つになっています。こうして船体と上の居住部分(側面から見た図では台形に見えている)が、分離する形態を考えてみます。(上の居住地区の大きさは150m×150mくらいとすると、船の幅は30mくらいとなります。)

 この海上都市は、メンテナンス時期がきたら船体のひとつを分離して、曳航しドッグにいれるのです。このときに、下の船のひとつが抜けると不安定なので、予備の同型の船体をひとつそこへ挿入しておけば万全です。

 また、この時に、船のメンテナンスを浮揚しているドッグ(船)で行うアイデアがあります。

 次の図はその一例で、大きな船の内部がドッグになっています。そして、メンテの時に後ろの防水扉を開いて、海水とともに、メンテナンスをする船1を中に入れて防水扉を閉じます。そうして、内部の船1を固定しながら中の海水をポンプで抜いてゆくのです。

こうして、内部は水のない状態となり、陸にいるときと同じように内部に入った船1のメンテナンスができます。さて、内部の船1のメンテナンスが終わると、今度は水を注入して中の船1を海水に浮かせて、後ろの防水扉を開いて海上へ船1を出し、作業は終了となります。

 このような海上都市も検討の余地があるのではないかと思います。

 植木淳一

2 件のコメント:

Po さんのコメント...

このような技術が実用化できるといいですね。

Unknown さんのコメント...

そうですね。
このケースは、造船所が津波で破壊されても、洋上ドッグが健在ならメンテナンスができるというものです。あるいは、海上都市から遠隔地に陸上のドッグがある場合、海上都市は動かさずに、設置場所へ「メンテナンス船」が出張してメンテナンスが行えるというシステムです。
海上都市の人間も仕事はもっているでしょうから、メンテナンス時に遠隔地の造船所とかドッグに、都市ごと曳航されてしまうと、彼らの仕事に支障が生じる可能性がでてきます。
この案だと、住民たちは海上都市設置場所から動かなくて済むのが利点です。植木