朝日新聞の今朝(8月22日)の朝刊によると、新インフルエンザが流行を始めたようです。
それによると、『新インフル流行期 厚生省発表 受診、週に11万人』と題して、一面にトップで記事が掲載されました。
もともとインフルエンザは、大気が乾燥した寒い冬に流行するものですが、まだ8月というのに、流行を迎えたのは、やはりこのインフルエンザが特別なものだと考えるべきでしょう。(以下記事の前書き部分)
『厚生省労働局は、新型のインフルエンザが全国的に流行期に入ったと発表した。国立感染症研究所の推計では、最近の一週間(8月10日~16日)にインフルで約11万人が医療機関を受診。全国約五千の医療機関の定点調査では、一週間に受診した1医療機関あたりの患者数は1.69人で、「流行開始」の目安の1人を始めて超えたという。夏に流行するのは調査を始めた80年代以降で例のない事態だ。』(同朝刊より)
この一週間に医療機関に受診した数が11万人で、患者数が五千の医療機関で新聞に書かれているように平均1.69人だとすると、総患者数は8450人ということになります。(つまり11万人のうち10万1550人は、国の定点医療機関ではなく別の一般の医療機関や開業医、病院に受診したことになる。)
また、本文中(未掲載)で、『厚生省のまとめでは、7月28日から8月18日までに新インフルによる入院患者数は累計230人で、うち15人が急性脳症や人工呼吸が必要な状態に陥った。』とあるように、この21日間(3週間)でその一部が入院したことになります。この3週間あたりの入院患者数230人を3で割って、1週間あたりに換算すると約76.6人となります。つまり8450人の患者のうち平均76.6人が入院したなら、入院率は0.9%でかなり低いものです。
しかしグラフを見ると、7月にはいって6週連続の増加がみられ、最新の1週間では最大の1.69人となりました。都道府県別に見た患者発生数は下記のようになります。
こうした患者数の増加は、夏休みに入って行楽地に出かけたり、人の多い場所にでかける機会が増えたことによるものでしょう。
1 | 沖縄 | 29.60 | 16 | 岐阜 | 1.62 | 31 | 群馬 | 0.83 |
2 | 奈良 | 2.96 | 17 | 鹿児島 | 1.49 | 32 | 福岡 | 0.83 |
3 | 滋賀 | 2.48 | 18 | 長崎 | 1.46 | 33 | 三重 | 0.83 |
4 | 福島 | 2.45 | 19 | 千葉 | 1.43 | 34 | 石川 | 0.81 |
5 | 大阪 | 2.14 | 20 | 青森 | 1.35 | 35 | 鳥取 | 0.79 |
6 | 東京 | 2.14 | 21 | 栃木 | 1.22 | 36 | 新潟 | 0.79 |
7 | 茨城 | 2.11 | 22 | 岩手 | 1.20 | 37 | 山形 | 0.65 |
8 | 高知 | 2.10 | 23 | 兵庫 | 1.19 | 38 | 和歌山 | 0.63 |
9 | 埼玉 | 1.91 | 24 | 宮崎 | 1.15 | 39 | 山梨 | 0.56 |
10 | 長野 | 1.83 | 25 | 徳島 | 1.11 | 40 | 大分 | 0.55 |
11 | 香川 | 1.81 | 26 | 福井 | 1.03 | 41 | 広島 | 0.54 |
12 | 島根 | 1.79 | 27 | 秋田 | 0.95 | 42 | 山口 | 0.51 |
13 | 京都 | 1.77 | 28 | 愛媛 | 0.93 | 43 | 熊本 | 0.51 |
14 | 神奈川 | 1.66 | 29 | 静岡 | 0.88 | 44 | 宮城 | 0.41 |
15 | 愛知 | 1.63 | 30 | 佐賀 | 0.87 | 45 | 岡山 | 0.40 |
| | ||||||||
46 | 北海道 | 0.32 | 全国平均 | 1.84 | ||||
47 | 冨山 | 0.21 | (除沖縄) | 1.21 |
(表中の数値は、左が全国における順位、右が人数。全国平均値は新聞と違うが表中
で計算したもの。沖縄をのぞく値で平均値をとった値がその下に記述されている。)
『世界保健機関(WHO)は21日、新型インフルエンザに感染した場合、持病のある人だけでなく、新生児や乳児もタミフルやリレンザを服用するべきだ、などとする治療方針を公表した』、とあります。また、この指針作成に関わった「けいゆう病院」の菅谷小児科部長は、タミフルやリレンザによる治療が「基本的には全員の治療が望ましい」と指摘しているという。
皆様も、初期の感染回避方針にしたがって、「用事がないときには人の多いところには出かけない」「外出から帰宅したら、手を洗いうがいを励行すること」を心がけましょう。そして感染して発症した疑いがあったら、専門の医療機関へ行き、検査して新型インフルだったら、タミフルやリレンザによる治療を依頼しましょう。こうした努力で、感染者の減少、さらには同インフル流行の撲滅が可能ではないかと考えます。
植木淳一
●新学期間近、予防対策に懸命
http://www.nnn.co.jp/news/090821/20090821036.html
●陣営・選管、消毒励行の動き/新型インフル
http://mytown.asahi.com/tochigi/news.php?k_id=09000000908200005
●新型インフル、患者急増で呼びかけ (京都)
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20090822ddlk26040358000c.html
●新型インフル、重症化に備え
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090822-OYT8T00364.htm
8 件のコメント:
多くの人が忘れたころに重大な流行が
起こりがちですから、
心配しすぎはよくありませんが
絶えず用心はしておくべきだと思います。
そうですね。特に今回は免疫力の弱い若者や学生に発症者が多いようです。子を持つ親は心配でしょう。
補足です。
● 新インフルによる休校・学級閉鎖38校に上る(朝日新聞8月25日朝刊より)
夏休みが明けて、学校が再開した地域が日本の一部にある。ところが、それらの地域で新型インフルが拡大したために、すでに休校や学級閉鎖が14都道府県で38校にも上ることが朝日新聞社の調べでわかったという。
これが本当なら、新型インフルの影響は非常に大きなものがあるというわけです。それで、今後はさらに拡大を抑えるための方策を徹底して行ってゆかなければならないと考えられます。
沖縄では、もっともインフルの拡大が盛んなようですが、そのインフルの特徴は進行が早いことです。
新聞の例では、7歳の小学校児童が平熱であったが親に頭痛を訴えた。翌朝も頭痛を訴えてせきが出始めたので、親が診療所へ連れて行ったところ、37度だったので風邪薬をもらい帰宅。翌日はせき止まらず熱は38度。「胸が痛い」というのでまた診療所へ連れてゆくと、体内に酸素が行き渡らない低酸素状態とわかり総合病院へ移動し治療することになった。エックス線撮影で「大胚葉性肺炎」と判明し、A型インフルに陽性反応がでたため抗インフル剤タミフルを投与した。その日から一週間入院したが、詳しい検査で新型インフルと確認された。
●朝日新聞の同上記事切り抜き
http://www.ifnet.or.jp/~jun-old1/infuru-kakudai.jpg
●朝日新聞の同上補足記事
http://www.ifnet.or.jp/~jun-old1/infuru-add1.jpg
沖縄県医師会の感染症担当理事の冨里氏は「沖縄で流行中のインフルは進行が早い。患者と接触した人が1~2日で症状が出るケースが多い」という。今後は夏休みが終わり、全ての学校が授業を再開するが、「親は毎朝子供の熱を計り、少しでも熱があれば休ませて」と言っているそうだ。
まあとにかく、今回の新柄インフルエンザは新型ウイルスなので、普通の人には免疫がないために、こんなひどい状態になるわけです。このインフルに対して、今のところは「タミフル」や「リレンザ」などの薬剤が唯一の治療法のようです。しかし、手洗いや「うがい」の励行、体の通常の免疫力を高く保つことにより、感染しても発病しないですむ可能性はあると考えられます。
こうした体の免疫力を保つには、睡眠を十分にとり、ストレスをあまり体や精神にかけず、体力や心身のコンディションをベストに保つことが秘訣のようです。
●新型インフル・ワクチンは10月下旬に供給
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090825-00000604-san-soci
●国立感染症研究所
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
●インフルエンザ流行レベルマップ
https://hasseidoko.mhlw.go.jp/Hasseidoko/Levelmap/flu/index.html
現在。夏休みの行楽シーズンにより、人の往来が盛んになたためか、インフルエンザの感染が急増しているようです。
下記の報告では、7月24日の時点で、全国の感染者数の推定が「1週間で6万人」ということですが、これはかなりの数になります。
しかし、死者数は入院119人に対して3人で、入院者数に対して2.5%、感染者数6万人に対して0.005%とかなり低いものとなっています。
あまり心配しすぎることもない様ですが、念のために感染には気を付けましょう。
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★国立感染症研究所 感染症情報センター
●国内の状況
本邦においては、5月からの各地方自治体における積極的な対策により、新型インフルエンザ(H1N1)2009の感染伝播が低く抑えられていたが、インフルエンザのもつ本来の感染性と多数の軽症者、無症候性感染者の影響もあり、地域への浸透は継続しており、ここにきて、徐々に増加しつつある。
国内においては、7月24日時点で、4,986例の確定例(死亡例はゼロ)が報告され、国内においても地域内感染伝播が持続していると考えられたため、この日を持って疑い例の全数検査は中止となっている。集団発生からの疑い例と確定例の報告、および入院例の報告は継続されているものの、現状では、全国約4,800の定点医療機関からのインフルエンザと診断された患者の報告数と、それらから提出された検体からのウイルスサーベイランスにより、流行状況は十分把握できるレベルになっている。
感染症発生動向調査によるインフルエンザの報告状況をみると、第28週頃より急激に増加している。最新のデータである、第32週1週間におけるインフルエンザの報告数は、4,630例で、これは統計学的な推計によると、この1週間に全国で約60,000例(95%信頼区間40,000-80,000)の患者が発生していると推定される。また、定点あたり報告数(1週間の1医療機関当たりへの受診患者数)に直すと、0.99であり、通常の冬季の季節性インフルエンザの全国的な流行の指標とされている1.0に近くなっている。ただ、まだまだ地域的には流行状況に大きな差異があり、都道府県別の定点あたり報告数では沖縄県(20.36)、奈良県(1.85)、大阪府(1.80)、東京都(1.68)、長崎県(1.50)、長野県(1.44)、三重県(0.99)、茨城県(0.91)、兵庫県(0.91)の順となっている。報告されている流行ウイルスは、ほとんどが新型インフルエンザウイルスAH1pdmである。
8月11日現在の厚生労働省へ報告された新型インフルエンザ(H1N1)による入院患者数は、119例であり、8月19日までに沖縄県、兵庫県、愛知県で3例の死亡が報告されている。
今後地域での流行状況の推移に留意していく必要がある。
●世界の状況
世界的にも、すでに患者数の全数報告は中止となり、新たに感染が確認された国を除いては、定期的な報告は流行状況とリスクに関する指標のみとされているため、数字にはあまり意味はないが、8月6日時点では、世界で170以上の国/地域から、177,457例の患者と1,462例の死亡が報告されている。
南半球の温帯地域の国々では、ほとんどの国で初冬に急速な患者の増加があり、冬季が終わりに近づきつつある現在、減少傾向を見せつつあるが、依然としてウイルスの伝播は続いており、早期には感染があまりみられなかった地域での流行に移り変わりつつある。これらの地域におけるインパクトはまだ評価中であるが、ほとんどの国では、人工呼吸管理を必要とする入院患者が増加し、通常の季節性インフルエンザよりも若干強いと報告されている。
(2009/8/22 IDSC 更新)
●「国立感染症研究所 感染症情報センター」のホームページより引用
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009idsc/09idsc12.html
上記コメントの「世界の状況」の中で、「世界で170以上の国/地域から、177,457例の患者の報告と1,452例の死亡が報告されている。」とあります。これから計算すると、1452÷177457=0.82 となり、死亡率が患者数のうち0.82%にも昇るので、かなり高い危険なもののように感じられます。
この数値は日本の0.005%以下(これは一週間の患者数で計算しているが、発生初期からの患者数はこの数十倍だと思われるので、実際にはもっと小さな数字となる)と比較して極端に高い値ですが、日本の医療体制の良さを物語っているのでしょうか。おそらく「世界の状況」では正確な患者数が把握できていないので、重傷例だけを患者数として把握したために、こうした死亡率の高さとして反映してしまうのかもしれません。
しかし、死亡数が少ないとは言え、こうした重症に陥ったり果ては死亡するなどの原因を把握して、このインフル感染の危険性を少なくして行く努力が必要だと考えます。この流行の今後の推移を見守りたく思います。
今日は台風の接近で雨風が強いです。
厚生省の試算では、10月の流行ピーク時には1日当たり約76万人の患者が新たに出るという予測をしています。皆様もどうぞ御注意を。(以下、同記事)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090425-436828/news/20090828-OYT1T01031.htm?from=nwlb
『厚生労働省は28日、新型インフルエンザの今後の流行に関する試算を発表した。10月の流行ピーク時には1日当たり約76万人の患者が新たに出て、全国の入院患者は最大時で4万6400人に上る可能性があるとした。
厚労省は同日、流行に備えた医療体制を早急に整備するよう各都道府県に要請した。
試算は海外の流行状況や感染率などから、季節性インフルエンザ感染者の約2倍にあたる国民の平均2割、都市部などでは同3割が発症すると想定。今シーズンの入院率を全患者の1・5〜2・5%(38万人〜64万人)、インフルエンザ脳症や肺炎など重症者の発生率を同0・15〜0・5%(3万8000人〜12万8000人)として算出した。
患者数のピークは流行開始8週間後になるとし、国内での流行開始(今月10〜16日)に当てはめると、10月上旬ごろに来る。入院患者のピークは患者数のピークから約1週間遅れ、全国の入院患者は4万6400人に達する。国民の3割が感染すると、入院患者は6万9800人に上るという。死者数の試算はしていないが、米国の想定では入院患者の約30人に1人が死亡するとしている。
都道府県には、診療所での夜間診療延長なども準備するよう指導。ぜんそくや糖尿病など持病がある人は医療機関で感染する恐れがあるため、医療機関に対して電話による診療、持病の薬を長期間使えるよう一度に処方することも求めている。(2009年8月28日20時05分 読売新聞)』
新型インフルのワクチンは、国民のほぼ半数分を確保する見通しだという。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090425-436828/news/20090830-OYT1T00078.htm
『6000万〜7000万人分ワクチン確保へ
新型インフルエンザのワクチンについて、舛添厚生労働相は29日、遊説先の愛知県豊橋市で、「6000万人から7000万人分のワクチンは確保できると思う。安心してほしい」と述べ、海外からワクチンを輸入することで、国民のほぼ半数に接種できる見通しであることを明らかにした。
厚生労働省は、国内で必要なワクチンの量を5300万人分と試算。国内のワクチンメーカーは、年内に1300万〜1700万人分しか生産する能力がないため、不足分を輸入でまかなう方針を示していた。(2009年8月30日03時11分 読売新聞)』
以下の記事には新型インフルの流行を迎えて、注意すべきいくつかの要点が述べられています。
つまり、外出時のマスクの着用とか帰宅後の手洗などです。
あと、個人的には「うがい薬」を用いた「うがい」なども効果があるのではないかと考えます。また、ウイルス除去にはアルコール消毒が有効だと昔から言われていますが、これは手や物品などの消毒に限られます。
●新型インフルの重症化に備えて
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090822-OYT8T00364.htm
『流行を遅らせるには、外出後の手洗いなど、個人でできる基本対策を一層徹底する必要がある。国立成育医療センター(東京・世田谷区)感染症科の斎藤昭彦医長は「人ごみは避ける。症状がある人はマスクを装着する。症状がない人も、混んでいる電車などはマスクを着ければ感染予防が期待できる」と助言する。
肺炎誘発もあるので、高熱、呼吸困難などはすぐ受診すること。
ワクチン接種は重症化を予防する
東京大医学部の水口雅(まさし)教授(小児神経学)は「解熱剤には脳症との関与が指摘されているものがあり、もしも解熱剤を使うならばアセトアミノフェンにすべきだ」と注意を促す。』
私たちは病気にかかりにくく、感染して発症しても軽くすむために「免疫力」の強化ができればよいと考えます。ご参考までに以下の記事を提示します。
★免疫力と言う神秘!
http://www.menekiplaza.com/
「私たちの身体は、免疫という自然治癒力のお陰で、さまざまな病気から日々守られています。しかし私たちの身体には、免疫と言う特定の器官などはありません。それは骨随、胸腺、脾臓、リンパ節、扁桃、血管、皮膚、腸管などの各器官や組織が協力しあって構成された免疫系によるものです。(中略)
新型インフルエンザ(H1N1型)パンデミックを目前にして『ウイルス感染に対する抵抗力は、バランスの取れた高い免疫力があって発揮されます。交感神経優位の高ストレス状態が続いていませんか?ウイルス感染には免疫細胞のリンパ球にしっかり働いてもらわなければなりませんが、免疫力を高める、免疫力を調整するには副交感神経の働きが重要です。いまさらながらですが、「早寝早起き、栄養、気分転換」が基本です。「手洗い、うがい、マスク」以前の問題です。免疫力が高ければインフルエンザを恐れることはありません。」などと書かれています。
★免疫力を高める成分
http://www.menekiplaza.com/seibun.html
様々な栄養成分が免疫力に効果が有るように書かれています。
初乳(子供を生んだ後2週間までの乳)には、「免疫グロブリン」などの成分が多く含まれていて、子供がそれを摂取することで免疫力が高く保たれるといいます。しかし、初乳などは入手が難しいでしょう。しかし、表にある成分をサプリや食品から摂取できるようです。
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