2010年3月12日金曜日

●未知の世界

約20年以上も昔に、今は無きPCVANに「未知の世界」SIGというのがあった。そこに入り浸って私は遊んでいた。特に霊的な世界というのがスキだったわけではなく、むしろU**に興味があったのです。NiftyServeにも同様のMistyLandというフォーラムがあり、そこにも顔を出していたが、ある意味で、本家本元の「未知の世界」には思い入れがあったのです。

私は幽霊は見たことがないのです。むしろ、そうした妄想にも似た世界に、皆が関心を寄せるのはどういう意味があるのかに興味があったのです。しかしそうした不思議な体験が全く無かったかというと、一度だけあるのです。

それは、母が無くなる寸前のことでした。私は所要で電車を利用し東京に出かけたのです。そしてその帰路、最寄の駅に到着し、改札口を出て街路に出たときに、突然なんともいえない胸騒ぎを感じたのでした。そして、目の前の路上に何か黒い球状の靄のようなものが膨らんだり萎んだりしているのが見えるような気がしたのです。それは何かを訴えるようでした。あとから考えると、その時に入院中の母が、突然に様態が変化して危篤に陥ったときだったのでした。もしかしたら母が最後の苦しみに陥り、私に助けを求めていたのかもしれません。それがテレパシーとして伝わったという仮説が考えられます。1986年の昔ですが、今となっては何とも説明のしようがない不思議な体験でした。

この話から思い出されるのが、日本の戦時中によくあった話です。
つまり、戦場に出かけているはずの息子が突然に帰宅してくる。それで母親は驚いたが、「よく帰ってきたね。今、食事を作っているから食べて行きなよ」と居間に通して、母親は食事の支度をしに台所に戻る。そして、配膳をして居間に戻ると、誰も居ない。気のせいかと思っていると、数日して戦死の報告が届く。あるいは、寝ていると、枕元に戦場に出かけた息子が現われて母親に別れを告げて去ってゆき、後の戦死の報告が届く、というような体験談です。こうしたことは、死に行く人からのテレパシーが伝わったのだと解釈されています。

また、小学校の頃は「金縛り」に合うことがたびたびありました。
私の小学校では体育が盛んで、よく校庭を何周も走らされました。そのために常に足の筋肉が疲労していたのです。帰宅してコタツで寝ていると突然に足に痛みが走り、足が攣ってきて「金縛り状態」になったのも、それが原因ではないかと考えました。こうした「金縛り体験」に関しては生理学的な説明があります。つまり、それは「レム睡眠」中の出来事だからです。

「レム(REM)睡眠」というのは、REM : Rapid Eye Movement のことで、人の睡眠中には、体が休んでいるときと頭脳が休んでいるときの二つの状態があり、体が休んでいるときには頭が覚醒状態に近くなり、そのとき目は閉じたまま目玉がきょろきょろ動いているので「レム」状態となります。またこの時、夢を見ているというが学者もいます。つまり、夢を見ていたり、外界からの刺激が脳に達する時でもあるのです。
この時に、たとえば「お化け」に追われている夢を見ても、カラダは休眠状態なので動こうとしても動けません。この記憶が「金縛り状態」として残るわけです。
私の場合には、母が入院していたので、父親が帰宅するまでよく一人で部屋で寝ていたりすることが多かったのです。すると何かの不安感が襲い、足が急に痛くなりツッてしまって、それを動かそうとするのですが動けないのです。しばらくそのままで痛みをこらえていると、やがて足は治ってきます。そうした体験が何度もあったのです。後に「金縛り」という話を聞いてはその時のことを思い出しました。
これで怖い体験は、成人して岡山に旅行にでかけた時の事でした。ある古い木造の旅館に泊まったのですが、夜中に寝ていた枕元に、巨大なネズミのような怪物が現われたのです。それは頭上の物音から始まったのです。夢の中ですから、目に見えるわけは無いのですが、なぜか巨大なネズミだとわかったのです。その怪物は頭上に迫り、頭をかじられるのではないかと言う恐ろしさから、必死で逃げ出そうとしたのです。しかし、カラダは動きません。そうして苦悶しているうちに怪物は遠ざかり、やっと起き出した時には周囲には何も居ませんでした。

知人のI氏は東北の出身です。彼は若い時、東京に出てきて、友人と共にアパートを借りて住んでいました。ところが、夜寝ると枕元に変な女性が現われてはまた消えてゆくのだそうです。何度かそうした体験をしたので、アパートの周囲を調べてみると、果たして裏に古い墓地があった、というものでした。

彼の体験談には色々と面白いものがあり、別のアパートに引っ越した後、隣の部屋から色々な災いがやって来たということを述べています。
その最高傑作が金縛り体験でした。あるとき、彼が部屋で寝ていると、突然、隣の部屋から「女性」の手が伸びてきたというのです。
なぜそれが女性の手とわかったのか、また手が壁を通りられたのかという疑問がありますが、それは夢の中だからでしょう。そして、その手が彼の布団の中に入り、突然彼の急所をつかんだというのです。これには驚いて、彼は必死で逃げようとするのですが、カラダが動きません。そうして、もがいているうちにやっと起き上がれるようになってみると、部屋の中は何事も無かったように静まり返っていた、というのです。

こうした金縛り体験は、レム睡眠中の出来事だということで大抵解決がつきます。
しかし、そうしたレム睡眠状態の時に、外界からの刺激を拡大して脳が受け取る場合があるということもあるように感じました。
こうした色々な話を聞いていると、人間には何かまだ解明されていないような不思議な能力が備わっているのではないかという印象が強くなります。
以上、つたない体験談ですが、ふと思い出したので書かせていただきました。

植木淳一

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