2010年3月14日日曜日

●ジュースの飲み残しでモーターを動かす(日本の大量残飯利用法発見!)

 もう24年も昔のことだが、スピルバーグ氏とゼメキス監督の映画「バック・トゥザ・フューチャー」(No1)の最後に、未来から車でドク(博士)が、戻ってくるシーンがある。銀色の衣装に金色のサングラスをして、出かける前と異なり、一見「いかれた格好」だ。
 その次には、未来へ主人公のマーティーを連れてゆこうとするが、何かを思い起こして、その車に搭載した「ミスター・フュージョン」というエネルギー発生装置に、ゴミ箱から拾い集めたジュースの残りとか野菜などの残飯を放り込む。つまり、この「ミスター・フュージョン」は「ゴミ」から「エネルギー」を発生させる装置なのだ。そして彼らを乗せた車は道路を走りだして、空へと舞い上がる・・・・この映画はSFだが、現在、こうした「夢」のような装置が開発されつつある。

 読売新聞に掲載された「バイオ電池」もそのひとつだろう。
 こちらは、コーラとかジュースに含まれる甘みの成分である「糖類」から発電をする。
 つまり、飲み残しの「ジュース」とか「コーラ」を電池の中に流し込むと電気が起きて、電池として使えるのだ。電気が起きなくなったら、またジュースを追加すればよい。
 このように、ご飯一杯分の「糖類」から、単三電池96本分の電気が取り出せるのだそうである。しかし、これが実現すれば、奥様方は大喜びだろう。おもちゃに使う電池代が大幅に節約できるかもしれないからだ。

 もともと人間などの生物も、ご飯などの食物から糖類を作り出し、それからエネルギーを得て動いているわけだから「原理」は同じだろう。
 日本では、食物のうち3割近くを「残飯」として「ゴミ」にして、捨てているのだから「もったいない」。なんとか、その3割から電力を取り出せれば、非常に有用なエネルギーが得られるわけだ。今後はこのような発想で、CO2削減25%も見事に達成してほしく思う次第である。

 以下に、その記事の抜粋を掲載させていただくことにする。

『コーラを装置に注ぐと小さな風車が回り始めた。同じ原理で携帯音楽プレーヤーがら音楽も流れる。将来、家電製品がジュースの飲み残しで動く日が来るかもしれない。ソニーが開発中の糖類を使う「バイオ電池」は、次世代のエネルギーとして注目されている。ご飯一杯分の糖類から、単三電池96本分の電気が取り出せる。生物と同じように糖類を分解し、エネルギーを電気として取り出す。二酸化炭素(CO2)は出さない。ソニー先端マテリアル研究所の戸木田裕一統括課長は「耐久性など課題もあるが、性能が上がれば多くの製品に適応できる」と期待する。』(読売新聞3月11日より抜粋)
 こうした植物を利用した発電装置としては、アルコールを利用した「燃料電池」等があり、すでに実用段階に達している。

●バイオ電池(ソニー)
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200708/07-074/index.html

●燃料電池
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%83%E6%96%99%E9%9B%BB%E6%B1%A0

 植木淳一

2 件のコメント:

Po さんのコメント...

思いがけないものが燃料になるのですね。
さまざまなエネルギー源があったほうがよいですね。

Unknown さんのコメント...

そうですね。これはまさに自然エネルギー装置だと言えます。

太陽からの恵み(光エネルギー)は、植物の葉緑素にある炭酸同化作用により、二酸化炭素と水からブドウ糖などの糖や、それの結合した澱粉といった物質中に固定されます。そして、主としてそれらのエネルギー物質は、芋や果実などの形態で植物中に蓄えられるわけです。
人間や動物たちはそれを食して、澱粉やそれを分解した糖類(あるいは脂肪)からエネルギーを取り出して体や頭脳を動かしているのです。
糖類はジュースなどの甘味の主成分ですが、人間や動物はジュースからも同様にしてエネルギーを取り出せます。つまり、ジュースからエネルギーを取り出す「バイオ電池」は、そうした生物のエネルギー使用機構をまねて作られているわけです。そして、糖類からエネルギーを「電気」として取り出しているのです。

一方、燃料電池は、そうした食物を発酵させてアルコールを作り、アルコールを使用して発電をするものがあります。(燃料電池は他にも水素を利用して発電したり、天然ガスや石油から発電したり、と様々な形態があります。燃料電池はガソリンエンジンなどよりはるかにエネルギーの使用効率が高いのです。つまり排気ガスなどで捨てる部分がないと言えます。)

植木淳一