昨日は「金星の太陽面通過」がありました。東日本では曇りや雨のところが多く、観測できなかった所が多かったようです。しかし、肉眼では太陽表面に「ほくろ」があるくらいの大きさでしか見えないので、望遠鏡があると迫力が増すでしょう。
次回、観測できるのは105年後となります。
こうした現象を宇宙から観測すると「大気によるゆらぎ」(ゆれ)がないので、良好な画像を見る事ができます。
日本の打ち上げた太陽観測衛星「ひので」からは、下記のような素晴らしい画像が送られてきました。
★「ひので」から見た金星の太陽面通過
http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2012/0606.shtml
http://hinode.nao.ac.jp/news/120606VenusTransit/
http://hinode.nao.ac.jp/news/120606VenusTransit/sot/2nd_cn_rednc/SOT_120606_venus_CN_nc_red_000.jpg
金星の表面を「薄く光る筋」が取り巻いていますが、これは太陽の光が金星大気を屈折して通過してきたもので、光って見えるのです。やり方によっては、この方法で金星の大気をある程度調べられるかもしれません。
ハッブル宇宙望遠鏡の画像があればグッドだと思い調べましたが、どうも無いようです。つまり、これらの映像をさらに拡大して観測すれば、金星の大気に関してもっと色々な情報が得られると考えました。
日本の金星探査機「あかつき」は失敗しましたが、地球周回軌道の衛星でも、長円形で遠地点を金星と太陽が一直線上にくる軌道位置に乗せられれば、上記のやり方で、ある程度まで金星大気を観測できるはずです。
今後の惑星探査に期待しようと思います。
●先月の金冠日蝕も日本中が関心をもったイベントでした。
●今年は、1962年に、米国で初めてグレン宇宙飛行士が宇宙を飛んでから50周年という記念の年にあたります。何かのイベントがあると思われますが、まだ確認していません。
●NHK「宇宙の渚」が好評放映中。
これは、NHKで開発した「宇宙用ハイビジョン高感度カメラ」を用いて、古川宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに長期滞在しながら撮影した映像をふんだんに用いて、地球周辺の宇宙現象(オーロラ、スプライト、大気光、流れ星等)を紹介してゆく番組です。
すでに、雷雲よりはるか上空で発生する「スプライト」(現象)や「オーロラ」を放映しました。
宇宙からみたオーロラは、地上から見るものより安心(?)してみることができます。通常のオーロラのほとんどが薄緑色なのですね。これと同時に見れる地上の夜景は、とても素晴らしいものに思えました。
しかし、オーロラは電子の流れが大気分子や原子を励起して発光するので、宇宙飛行士にとってはリスクがあります。彼らの献身的な努力のおかげで、地上に居る私たちは、安全な状態で宇宙からの神秘的な眺めを楽しめるわけです。
★コズミック・フロント
http://www.nhk.or.jp/space/program/cosmic.html
●今後の主な天文イベント
8月12日 ペルセウス座流星群
8月14日 金星食 これは、月の向こうに金星が隠れる現象
12月14日 ふたご座流星群
植木淳一
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本文の写真は「東京湾アクアライン」(東京湾海底横断道路を含む)」の途上に設けられたパーキングエリア「海ほたる」上にあるモニュメントです。このモニュメントは、海底を掘削するときに使用された掘削機の回転歯(直径14.14m)の一部をカットして展示しているものです。
●「海ほたる」サイト
http://www.umihotaru.com/
植木淳一
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